それでももう、貴方以外考えられない。
先生はニヤッと笑うと、私の頭の上に手に持っていた弁当をのせた。


「弁当、サンキューな。」


その仕草に、またドキッとしてしまった私。


「いえ…。」


先生と目が合わないように俯くと、弁当が頭から離れた。


「てかお前、何してんの?こんなとこで」


「先生に配布物取りに来るように頼まれて。学級委員なので。」


「へぇー、学級委員なのか。」


先生がそう言った時、


「美月!」


少し怒ったような声が聞こえた。


そこには、声色通りムッとした顔の優斗が、永田に預けられたのであろう配布物を持って立っていた。


「あ、優斗。ごめん、半分持つよ。」


「あぁ、うん。こんくらい持てるからいいけど…。ほら、早く行くぞ。」


「ちょ、持たせて!私も一応学級委員なんだし。先生、また後で!」


「おー、頑張れよー。」


「また後でって、またあいつと会うわけ?今日生物無いよな?」


あ…隣だから会うかなぁって、特に深い意味も無くいったんだけど、そんな事言えないし…。


「いや、別になんもないけど。先生も学校にいるからいつか会うでしょ、ってこと。」


私、誤魔化すの下手すぎ…。
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