それでももう、貴方以外考えられない。
「今日、遠足前日ってことで、部活無いんだけど、俺ん家来ない?っていうか、俺ん家でご飯作って欲しい。」


先生は、男子バスケ部の顧問をしている。


それでいつも帰りが遅いので、あの日以来、先生の部屋には上がっていない。


「分かりました。じゃあ、スーパー寄って帰りますね。」


「いや、そんくらいは俺がするよ。いるもののメモ渡しといてくれたら買ってくる。」


私はその言葉に甘えることにして、その場でメモを書いた。


「サンキュ。じゃ、楽しみにしてるから。気を付けて帰れよ!」


先生と別れると、待っていてくれた心結の元へ急いだ。


「お待たせ〜!ごめんね、心結。」


「ううん、そんな待ってない。それより、何の話だったの!?」


案の定、心結は目を輝かせている。


本当、この手の話好きだよなぁ…。


「いや、成績の事とか、色々。」


つくづく思う。私は誤魔化すのが下手だ。


まだテストも無いのに成績の話をするわけが無い。


でも、心結はそこは気にしていないようだった。
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