それでももう、貴方以外考えられない。
「はい、できましたよ。」


そう言いながら、テーブルの上に作りたての料理を置いていく。


「おー、今日も美味そうだな!」


先生は、もうさっきのことは気にしている様子は無い。


頭から離れないのは、私だけなのかな…。


「いただきます!ん〜、やっぱ美味い!」


相変わらず、本当に美味しそうに食べてくれる先生。


「結局、明日のお昼は男子と食べるんですか?」


なんとなく、遠足の話題を出してみる。


「あぁ、うん。俺、男女共に人気だから。」


「はぁ…。」


「お前、ほんと冗談通じねぇな。そんな引いた顔すんなって!」


いやいや、冗談なら冗談っぽく言って欲しい。


そんな真顔で言われても分かる訳が無い。


「でも、男子と食べるなんてちょっと意外でした。」


「そうか?俺なぁ、実は男子といた方が楽なんだわ。女子は…ほら、扱いにくいとこあんじゃん?」


「ああ、確かに…。って、私も女子ですけどね。」


「あ、そーだっけ?」


そう言ってとぼけたふりをするので、ムッとして軽く睨む。


「ごめんごめん、嘘だって!…お前は、特別だから。」


サラッと言われた言葉に、どう反応すればいいか分からなくなる。
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