セレブ結婚の甘い落とし穴【完】
玲於は日曜日は丸一日仕事があると聞いていた。

玲於への入籍の知らせよりも先に私は、引っ越しの準備を始めた。

しかし、翼が引っ越しなんて半日で出来ると、引っ越し業者をすぐに手配し、梱包から、何から何まで引っ越し業者がしてくれ、あっという間に夕方には片付いた。

そして、私は翼の家の奥様として迎えられた。

私はなんだかんだ言っても、今までの不信感は全て吹き飛び、翼を信じ頼り始めていた。
その気持ちは、左手薬指を見ると一段と高まった。


ブルブル

ブルブル

「翼、電話だよ」


「ん?ああ、いい。」
翼は電話に出ようとはしなかった。


ブルブル

ブルブル

「翼、いいの?」
私は思わず、スマホを手に取り、着信相手の名前を見てしまった。


【里穂】


里穂からだよ。
なんで?
なんで翼は出ないの?


私は思い切って、里穂との関係を聞こうと思った。

その時だった。


ピンポーン

ピンポーン

ピンポーン




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