セレブ結婚の甘い落とし穴【完】
トントントントン
何か足音が聞こえる。
ん?
俺の部屋の前で止まった?
ドンドンドン
「玲於、いるんでしょ?開けなさいよ」
こんな深夜にもはやホラーでしかない。
俺は、その怒り狂った声が里穂だとすぐにわかった。
「なんだよ。静かにしろ」
「上がるわよ」
里穂は、すぐ近くにあった椅子に座り、大きく足を組んだ。
「何しに来たんだ?」
「ふっ、もう隣人はいないから構わないでしょ」
里穂はこれ以上ないくらい横柄な態度だ。
「あんた、奏音好きなんじゃないの?何で繋ぎ止めておかないのよ」
「俺だって、さっき知ったばかりでかなり動揺してるんだ」
里穂の勢いにはただ全く歯が立たない。
「わ、私が翼と結婚するはずだったのよ」
里穂は、打って変わって泣きだしそうになる。
「どういうことだ?私と翼は愛し合ってたのよ」
「やっぱりそうなのか…じゃあ、何でお前は妊娠したと嘘をついたんだ?」
「そんなのあんたと別れるためよ。普通に別れるじゃあ、つまんないじゃない?ゲームよ」
里穂は鼻で馬鹿にしたように笑った。
「お前……なんて女だ。翼の相手が里穂でなくてよかったよ」
俺は里穂が男だったら、とっくに手を出していただろう。
「あんた馬鹿ね。どこまでお人好しなの?奏音の事、好きなら奪いなさいよ。所詮、紙切れ1枚よ」
「紙切れ1枚って、簡単に言うな。俺だって絶対に入籍はするなと約束してたんだから。俺だって傷ついている」
俺は、両手を強く握りしめた。
何か足音が聞こえる。
ん?
俺の部屋の前で止まった?
ドンドンドン
「玲於、いるんでしょ?開けなさいよ」
こんな深夜にもはやホラーでしかない。
俺は、その怒り狂った声が里穂だとすぐにわかった。
「なんだよ。静かにしろ」
「上がるわよ」
里穂は、すぐ近くにあった椅子に座り、大きく足を組んだ。
「何しに来たんだ?」
「ふっ、もう隣人はいないから構わないでしょ」
里穂はこれ以上ないくらい横柄な態度だ。
「あんた、奏音好きなんじゃないの?何で繋ぎ止めておかないのよ」
「俺だって、さっき知ったばかりでかなり動揺してるんだ」
里穂の勢いにはただ全く歯が立たない。
「わ、私が翼と結婚するはずだったのよ」
里穂は、打って変わって泣きだしそうになる。
「どういうことだ?私と翼は愛し合ってたのよ」
「やっぱりそうなのか…じゃあ、何でお前は妊娠したと嘘をついたんだ?」
「そんなのあんたと別れるためよ。普通に別れるじゃあ、つまんないじゃない?ゲームよ」
里穂は鼻で馬鹿にしたように笑った。
「お前……なんて女だ。翼の相手が里穂でなくてよかったよ」
俺は里穂が男だったら、とっくに手を出していただろう。
「あんた馬鹿ね。どこまでお人好しなの?奏音の事、好きなら奪いなさいよ。所詮、紙切れ1枚よ」
「紙切れ1枚って、簡単に言うな。俺だって絶対に入籍はするなと約束してたんだから。俺だって傷ついている」
俺は、両手を強く握りしめた。