セレブ結婚の甘い落とし穴【完】
「ねぇー玲於は奏音が欲しい?」

「そりゃあ、時間が取り戻せるなら、奪うさ」
俺は、時間の経過と共に、仕事を抜け出してでも阻止するべきだったと思っていた。


「私は翼が欲しい。ねぇー私達手を組まない?」
里穂はどこまでも腹黒い。


「お前は何言ってるんだ?奏音に何がしたいんだ?」
俺は里穂の本当の姿を知った気がした。


「私と手を組んでくれたら教えるわ」


俺はよく考えてみた。
これ以上奏音を危険な目に合わさないようにするためには、里穂と手を組む振りをして、奏音を守るしかないかもしれない。


俺は咳払いをした。


「わかった。いいだろう。俺は奏音を奪い返す」


「よし、私は翼の妻の座を勝ち取る。お互いの目的はこれね」




< 111 / 152 >

この作品をシェア

pagetop