セレブ結婚の甘い落とし穴【完】
「お邪魔します」
「わぁーすごい」
ゆっくりと玲於と里穂が入って来た。
どうやら、玲於はここは初めてではないらしい。
しかし、里穂は、私と同じように大興奮していた。
「奏音、やったね」
ちょっと里穂、露骨すぎる。
私は思わず、目で静かに、と合図を送った。
私達4人は、広すぎるリビングのソファーで、美味しいコーヒーと紅茶を嗜んだ。
天井からの太陽光線は、翼のコーヒーカップを強く突き刺していた。
「ここは、いつ建てたの?」
里穂が興味津々に聞く。
「2年前だよ……海沿いの別荘がどうしても欲しくてね」
自信ありげに翼は答えた。
「2年前って、26歳の時だよね?今の奏音と同じ歳の時かぁ…」
里穂と私は、顔を思わず見合わせた。
同じ26歳で、こうも違うのか…
私なんてただのネイリストだ……
私以外は、みんな28歳なんだね。
私は2年後、今と変わってる自信、正直あんまない。
少しは見習わないと。
翼のかっこよさをまじまじと実感した。