セレブ結婚の甘い落とし穴【完】



「お邪魔します」

「わぁーすごい」

ゆっくりと玲於と里穂が入って来た。
どうやら、玲於はここは初めてではないらしい。


しかし、里穂は、私と同じように大興奮していた。

「奏音、やったね」


ちょっと里穂、露骨すぎる。
私は思わず、目で静かに、と合図を送った。


私達4人は、広すぎるリビングのソファーで、美味しいコーヒーと紅茶を嗜んだ。


天井からの太陽光線は、翼のコーヒーカップを強く突き刺していた。


「ここは、いつ建てたの?」
里穂が興味津々に聞く。


「2年前だよ……海沿いの別荘がどうしても欲しくてね」
自信ありげに翼は答えた。


「2年前って、26歳の時だよね?今の奏音と同じ歳の時かぁ…」

里穂と私は、顔を思わず見合わせた。


同じ26歳で、こうも違うのか…
私なんてただのネイリストだ……

私以外は、みんな28歳なんだね。

私は2年後、今と変わってる自信、正直あんまない。
少しは見習わないと。


翼のかっこよさをまじまじと実感した。




< 14 / 152 >

この作品をシェア

pagetop