セレブ結婚の甘い落とし穴【完】
私達は再び車に乗り込んだ。
「す、すごいドレスなんだけど、どこ行くの?」
私は恐る恐る聞いた。
「ん?プラトンホテルだよ。今日、取り引き会社から、創立記念日のパーティーに招待されてるんだ。美味しいもの食べれるぞ」
「パ、パーティー?む、無理、降ろして、絶対無理ー」
私は顔が青ざめて来た。
それとは対照的に余裕な笑みを浮かべる翼。
「大丈夫。俺の隣りにずっといるだけで良いから。笑ってるだけで良いから」
「いやぁーそれでも、無理」
激しく否定する私。助手席で、暴れ出す私。
翼はちょっと怒った口調で言った。
「俺の彼女なんだから、自信持て。できるな。わかったか?」
初めて見る翼の姿に私は、逃げ出すことは無理だと悟った。