セレブ結婚の甘い落とし穴【完】
私の所に戻って来た里穂は、言った。
「奏音、イケメン連れてきてくれるって」
「えぇーいいよ、やだ」
私はびっくりして瞳孔が開く。そして、首を横に激しく振る。
「奏音さぁ、彼氏欲しいんでしょ?」
相変わらず女の私でもドキッとするようなセクシーな声を出す。
「欲しいけど……」
私は顔を下に向けた。
「待ってるだけじゃ、何も起こらないよ。チャンスは生かさなきゃ」
自信たっぷりに言い放つ里穂。
「……うん」
里穂は、いつも何事にも積極的。
私はそんな里穂の前向きな姿勢をとても尊敬している。
「いい?奏音、私なんて……とか、禁句だからね」
ちょっと強めに言ってくる里穂。
「はい、わかった」
私は渋々了解するしかなかった。