セレブ結婚の甘い落とし穴【完】
「奏音、好きだよ」
そう言って、翼は、私のワイングラスをテーブルに置いた。
私は、玲於とのキスが頭をよぎった。
ど、どうしよう?
く、来る。
翼が来る……
私は必死で翼から目を離す。
「奏音」
翼は、両手で、私の頬に手を当てて、自分の方に顔を向けた。
逃げれないし、逃げたら不自然。
翼は、私の口にいきなり舌を絡め始めた。巧みなテクニックに酔いしれてしまうほど、情熱的な深いキス。
私は見事に翼に落とされ、激しく舌を絡め合う。
翼…
翼……私はあなたを好きになります。
いえ、好きになりました…
たった1回のキスでこんな熱い想いになったのは初めてだった。
これも、翼の武器でもあるんだろう。
私はメロメロにとろけそうになってしまった。