セレブ結婚の甘い落とし穴【完】
「えぇー」
「マジか?」
2人の驚いた声が店内に鳴り響く。
「いつの間に…」
里穂がポツリと少し寂しそうに答えた。
「ごめんね、里穂、先に報告しなくて」
私は、年上の結婚に憧れている里穂に言うのは躊躇っていたのだ。
「いいよ。それより、おめでとう。いつ結婚するの?」
私は玲於の方をそっと見つめた。至って普通に接していた。
「入籍は今月にはする予定だ」
え?
そんな早く?
翼は何でも1人で決めてしまう。
まあ、そこが頼りになって好きなとこなんだけどね。
「わぁー素敵、幸せになってね。ほら、玲於もなんか言いなさいよ」
「ああ、おめでとう」