セレブ結婚の甘い落とし穴【完】
「玲於、お前、何考えてるんだ。お前の子供だろ」
翼は明らかに苛立ちを見せていた。
「里穂すまない……俺はお前が決めればいいと思ってる」
玲於、何言ってんの?
目の前で里穂泣いてるんだよ。
責任感はないの?
「お前、なんか逃げ腰だが、もしかして、他に何か理由でもあるのか」
翼は厳しく玲於を問いただした。
「……」
「おい、玲於!里穂ちゃん、泣いてるんだぞ。好きな女くらい守ってやれよ」
里穂は急に立ち上がり、化粧室に向かった。
「里穂…」
私はすぐに追いかけようとしたが、翼が私を止めた。
「ちょっと1人にしてやれ」