セレブ結婚の甘い落とし穴【完】
外を出たらすぐに前後左右確認した。左側の道に里穂の丸まった震えた体が目に止まった。
私は必死で走り、里穂に追いついた。
「里穂、待って」
里穂は、追いかけてきたのが私だったのが少し悲しかったかもしれない。
「里穂、大丈夫?」
涙ぐむ里穂は、無理に私に笑って見せた。
「奏音のおめでたい日にごめんね」
「里穂…」
私は里穂を強く抱き締めた。
ごめんね。
きっと私が悪いんだ。
私は早く里穂に話すべきだった。
話して、玲於に出て行ってもらえばよかったんだ。
「里穂、送って行くよ」