セレブ結婚の甘い落とし穴【完】
「え?」
何言ってんの?
嘘でしょ?
翼と里穂が?
そんなわけない…
「だから、赤ちゃんの父親は、翼かもしれない」
さらりと言い放つ玲於とは対照的に私は茫然自失。
「…嘘でしょ?やめてよ」
「嘘じゃないさ。翼、急に結婚しようって言わなかった?」
「……うん」
確かに急に言った。
なら、私は騙されてたの?
両親にも会ったんだよ。
え?
里穂も私を騙してたの?
私の事、大嫌いってさっき言ってたのは、本当なの?
私はショックのあまり、ふらついてソファーにバタンと倒れ込んだ。
「おい、大丈夫か?」
玲於の声が遥か遠くに響き渡った。