セレブ結婚の甘い落とし穴【完】
私はじーっと玲於を頭の先からつま先までしっかりと目に焼きつけた。
やっぱり良く見たら、スタイル抜群のチャラいイケメン君だわ。
「玲於、私はあなたを信じてよいの?あなたも私を騙してる?」
私は直球で聞いた。
「え?俺のことは信じてくれ。いいか、俺も被害者なんだぞ」
玲於は話を続けた。
「俺がチャラいからか?いや、チャラく見せてただけなんだけど…俺、女の人に上手く愛情伝えられなくて…いつも誤魔化しながら、好きだとか言っちゃうんだ。でも、それは本気で好きな証拠なんだ」
いつもと違う玲於。第一印象の玲於がそこにはいた。
「…うん、わかった。ありがとう」
私は紅茶をもう一杯入れながら言った。
「私、勇気だして、翼と話してみる」
「ああ、ただアイツらの目的が知りたい。だから、俺との事は言うな。」
「うん、余計な事はまだ言わない。結婚の話してみる。そしたら、本性がわかるかも」
私は深く息を飲んだ。
「ちゃんと報告するから」
もはや玲於だけが今は頼りだ。
信じ難い現実を私は受け入れた。