セレブ結婚の甘い落とし穴【完】
それから、私は翼に連絡は取っていたがなかなかお互い都合が合わず、きちんと会う約束が出来たのは2週間後のことだった。
金曜日の夜、翼は私を迎えに来てくれ、イタリア料理の店に案内してくれた。
店内は、暗めで大小の間接照明を上手く利用し、ミステリアスな荘厳な雰囲気を醸し出していた。
素敵…
いつもなら、素直に喜ぶのだが、今日の私は警戒心で満たされていた。
「こちらへどうぞ」
私と翼は丁寧に案内されて座った。
オーダーは全て翼に任せた。
「奏音、久しぶりになっちゃったな、悪かった」
「私は大丈夫」
「入籍の件なんだけど、明後日はどうかな?」
翼は心に少しも揺らぎがなく真っ直ぐに聞いてきた。
「あの、その件なんだけど、本当に私でいいの?翼なら、もっといい人見つかるんじゃないのかな?」
私は、翼の顔色をうかがいながら、ゆっくりと尋ねた。
「奏音?どうした?俺は奏音がいいんだよ。奏音と幸せになりたいんだ」
「だって、私達、1年も付き合ってないし、それに私は仕事辞めたくない。ご両親に嘘ついちゃったじゃない?」
「それは俺がちゃんと説明しておくから気にするな」
少し声にイラつきが見られた。
「わ、私…やっぱりまだ結婚は……」
私は躊躇いを見せた。
「何故だ。俺は早く入籍したいんだ」
「なんでそんな急ぐの?」
翼が眼鏡を外しテーブルに置いた。そして、大きく息を吐いた。
「奏音、俺は欲しいものは必ず手に入れてきた。お前もその1人だ。俺にはお前が必要なんだ」
金曜日の夜、翼は私を迎えに来てくれ、イタリア料理の店に案内してくれた。
店内は、暗めで大小の間接照明を上手く利用し、ミステリアスな荘厳な雰囲気を醸し出していた。
素敵…
いつもなら、素直に喜ぶのだが、今日の私は警戒心で満たされていた。
「こちらへどうぞ」
私と翼は丁寧に案内されて座った。
オーダーは全て翼に任せた。
「奏音、久しぶりになっちゃったな、悪かった」
「私は大丈夫」
「入籍の件なんだけど、明後日はどうかな?」
翼は心に少しも揺らぎがなく真っ直ぐに聞いてきた。
「あの、その件なんだけど、本当に私でいいの?翼なら、もっといい人見つかるんじゃないのかな?」
私は、翼の顔色をうかがいながら、ゆっくりと尋ねた。
「奏音?どうした?俺は奏音がいいんだよ。奏音と幸せになりたいんだ」
「だって、私達、1年も付き合ってないし、それに私は仕事辞めたくない。ご両親に嘘ついちゃったじゃない?」
「それは俺がちゃんと説明しておくから気にするな」
少し声にイラつきが見られた。
「わ、私…やっぱりまだ結婚は……」
私は躊躇いを見せた。
「何故だ。俺は早く入籍したいんだ」
「なんでそんな急ぐの?」
翼が眼鏡を外しテーブルに置いた。そして、大きく息を吐いた。
「奏音、俺は欲しいものは必ず手に入れてきた。お前もその1人だ。俺にはお前が必要なんだ」