セレブ結婚の甘い落とし穴【完】
ピンポーン


「奏音、遅くにごめんね」
里穂の顔色はずいぶん良くなっていた。

「いいよ、里穂、色々ごめんね」


「私の方こそ言い過ぎた。ごめんね。ちょっと頭がパニックになってて…」


「仕方ないよ。誰でもそうなるよ。ただ、私は玲於君とはただの友達だから、勘違いしないでね。信じてね」


「奏音…本当に?」


「うん、本当だよ」
私は里穂をじっと見つめながら言った。


「里穂、これからどうするつもり?ちょうど明日会いにいくつもりだったんだよ」
私は里穂の好きなコーヒーを入れながら言った。


「…うん」


「玲於君とあれから連絡取った?」


「ううん、1回だけ電話したけど出なかった…」
里穂はとても悲しそうに見えた。


里穂は本当に嘘をついてるんだろうか?
私や玲於を騙しているんだろうか?

私は自問自答を繰り返す。



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