君は何がしたいの?
海side

俺が凪ちゃんに初めてあったのは
高校一年生の冬頃だった
夕方に俺が散歩していると、公園に人が見えたので
気になって見てみたら、
他人を寄せ付けないクールな美人で有名な有留凪が
小さい子供を膝にかかえて、
「大丈夫だよ。大丈夫だよ。」
と笑いかけていた
何事かと思い見ていると、
その子供の親らしき人が来て、頭を何回も下げていた
おそらく、迷子だったのだろう
彼女は慌てた感じで
「やめてください」
と言っていた

それからその親子と別れる時、
寂しそうな顔をして、見送っていた
俺は、話しかけたかった
だけど、ただずっとベンチに座り、
何も考えたくないような彼女の雰囲気に
なぜか足がすくんでしまった。
何でそんなに悲しそうな顔をしているのんだ?
あんなに素敵な笑顔が出来るのに
何で学校では喋りもしないんだ?
そう思うたび、いつでもどこでも
気づけば、彼女を目で追っていた

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