【短編】連鎖
「そう言う事か、
でも絵梨花一人でやった事じゃないだろ?」

「はい、実はあたし達も絵梨花の命令でいじめに加担していました、
でもまさか加奈が自殺してしまうなんて、
その事を聞いて怖くなってしまって、
それでアンケートにほんとの事を書けなかったんです!
ほかのみんなもそうだと思います」

この時わざとらしく涙を流してみせる美咲。

「そう言う事だったのか、
良く話してくれたな?」

「それなのに絵梨花ったら、
加奈が助かったら自分がいじめていたのがばれるから、
助からない方が良いなんて言い出して、
それであたしたちもう付いて行けなくなってしまったんです」

「そんな事言ったのか絵梨花は、
まったく仕方ない奴だな?
とにかく打ち明けてくれてありがとう、
もう帰っていいぞ!」

「はい、失礼します」

そう挨拶をすると美咲は相談室を後にすると、
一人残った本間は悩んでいた。
まいったな? 思った通りの事になってしまった、
さてどうしたものか、
もう上にはいじめは無かったと報告してしまったし、
今更やっぱりいじめがありましたなんて事になったら面倒だぞ!
黙っておくか、幸い生徒以外で知ってるのは俺だけだしな?

そんなところへ、
相談員の藤田が戻ってきた。
< 17 / 63 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop