【短編】連鎖
「本間先生、
どうしたんですかこんな所で」

「あぁ先生ですか、
ちょっとここお借りしてました」

「それは良いですが、
何か悩み事のある生徒でもいましたか?」

「いえ、別に大した事ではないんですよ」

「そうですか?
でも先生のクラスでは生徒が自殺をしたばかりではありませんか、
もし心に傷を負ったような子がいたらいつでも相談相手になりますよ」

「はい、ありがとうございます、
でも今の所大丈夫なので……」

「ほんとうにそうですか?
ひとつの大切な命が消えたんですよ、
見た目は大丈夫なように見えて傷ついている子もいるんじゃないですか?」

「ご心配ありがとうございます、
でも大丈夫ですから心配しないでください!」

「先生の心配をしているのではありません、
生徒の心配をしているんです!
こういう時の心のケアは大切ですよ、
一度全員と話をさせて頂けませんか?」

「そうですね、
それでは一度お願いします、
詳しい日程などはまた後ほど、
では今日のところはこれにて失礼します」

その言葉に部屋を後にする本間を藤田は見送った。
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