【短編】連鎖
【第二章】
数日後美咲から報告を受けた本間は、
面倒だと思いながらも学校を休みがちだった事もあり、
仕方なく絵梨花の家を訪ねる事にした。

しかし絵梨花の家は母子家庭であり、
平日は仕事で会えないため、
日曜日でなければ会う事は叶わず、
日曜日の午後、
本間は相沢家へと向かう事となった。

「先生申し訳ありません、
日曜日なのに来て下さって」

「いえ構いませんよ、
生徒の為ですから」

「ありがとうございます、
私もどうして最近絵梨花が学校に行かなくなってしまったのか分からなくて、
とにかく上がって下さい」

最後に明るくそう言った母親の絵理であったが、
それは表の顔であり、
裏ではいつの頃からか親子の関係は冷え切っており、
子供に関心のない母親となっていた。

そんな絵理が階段の下から二階の絵梨花に向かって呼びかける。

「絵梨花、先生が来て下さったわよ、
降りてきなさい」

ところが絵梨花は、
部屋にこもって降りてくる様子がなかった。

「お母さん、
二人きりで話しがしたいので、
僕が絵梨花さんの部屋に伺ってもよろしいでしょうか」

「分かりました、
あの子の事よろしくお願いします！」

そして絵理に二階の絵梨花の部屋へと案内をしてもらう本間。
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