【短編】連鎖
しかしこの時本間は、
教師らしからぬ事を考えていた。

こんな事しても馬鹿正直に書く奴なんていないだろうけどな?
もしいたとしてもそれはそれで後々面倒だ……

その後少しずつざわめきが収まりつつ、
アンケート用紙に記入していく生徒達。

その後アンケートを書き終えた頃を見計らい、
本間はアンケート用紙を回収すると教室を後にした。

本間が教室を後にすると、
残された生徒達は再びざわめきはじめた。

そんな中、
このいじめの中心人物である絵梨花がみんなに聞こえるよう声を張り上げ確認する。

「みんな、変な事書いてないわよね」

「書いてねえよ、
こんな事になったら俺達も同罪だ、
変な事かけるわけねえじゃねえか」

そう返事をしたのは絵梨花達のいじめを遠巻きに見ていた晴樹だった。

そもそもこのいじめは絵梨花達が中心になり、
主に女子達によって行われていたため男子はほとんどかかわっていなかった。

そしてそんな晴樹の言葉に対し、
ほかの女子の様にいじめには加担していないものの、
晴樹同様助ける事もできず、
遠巻きに見ている事しか出来なかった詩織は心配の言葉を口にする。

「でも立花さん大丈夫かな?
先生は危険な状態だって言ってたけど、
もし助からなかったらどうしよう」
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