【短編】連鎖
「絵梨花開けるわよ、
先生が来てくれたの、
入っていいわよね」

「入るぞ絵梨花」

そう言ってドアを開けると、
絵梨花の部屋へと入る本間。

「何だ元気そうにしてるじゃないか」

「何しに来たの?」

「ちょっと家庭訪問にな、
ほら、ここんとこお前ずっと休みがちだろ、
あまり休んでると勉強も遅れちゃうと思ってな?」

「何言ってんの?
ほんとは面倒だと思ってるくせに」

核心を突かれ、
思わずドキッとする本間。

「何言ってんだ?
ほんとに相沢の事が心配だから来たんじゃないか」

「どうだかね、
ほんとは義務感だけで来ただけでしょ?」

「分かった、絵梨花がそう思うならそれでいい、
それよりどうして学校に来ないんだ?」

「先生には関係ないでしょ!」

その言葉も、
強がりからくる言葉であった。

「関係ない事あるか、
絵梨花も俺の大事な生徒なんだ」

「別に何でもないわよ、
ただ行きたくないから行かないだけ」

「そんなの理由になるか?」

「理由になるんだから仕方ないじゃない」

「なあ絵梨花、
絵梨花が立花をいじめていたってほんとなのか?」

突然の問い掛けに絵梨花は驚いてしまい、
とうとうバレたかと感じていた。
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