【短編】連鎖
翌日、この日も憂鬱な気分で学校へと登校した絵梨花のもとに、
早速嫌がらせをしようとゴミ箱を手に美咲がやって来た。

「おはよう絵梨花」

後方から久しぶりに美咲のそんな明るい声が聞こえ、
ようやくこの辛いいじめから解放されたかと安心したのだが、
すぐにそれは間違いだった事に気付く。

次の瞬間、
絵梨花の頭上からゴミ箱の中身が降り注ぐと、
そのすぐ後にさかさまになったゴミ箱が降ってきた。

「あらごめんなさぁい、
ちょっと手が滑っちゃったぁ、
キャハハハハハ」

そう笑いながらその場を去ろうとする美咲に、
見かねた楓が声をかけてきた。

「もうやめようよ美咲、
こんな事して何になるの?」

「何よ楓、まさかあんたまで裏切る気?」

「そんなんじゃないわ、
裏切るも何もないわよ、
前はあたし達ずっと仲良くしてたじゃない、
友達だったでしょ?
それがどうしてこんな事になってしまったの?」

「そんなの知らないわよ!
もしあんたまで裏切るつもりならどうなるか分かってるわよね」

「だから裏切るなんて言ってないじゃない、
あたし見たのよ、
夢に加奈が出てきたの」
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