【短編】連鎖
【第五章】
その後加奈の姿は、
遅くまで勉強していた美咲のもとにも現れた。

「美咲」

その声のする方に振り向いてみると、
青白い光に包まれた物体がすうっと姿を現した。

「なに? 何なの一体」

「あたしよ美咲、加奈よ」

その声によく目を凝らして見てみると、
確かにそれは加奈の姿であり、
その姿を目にした美咲は大変驚いてしまった。

「キャー――ッ、
どうして加奈がここにいるのよ、
まさかあたしに復讐しに来たの?
ごめんなさい、ごめんなさい、
もう許して下さい、
お願いします!」

「落ち着いて美咲、何もしないから」

「ほんとに何もしない?」

「もちろん何もしないわ」

その言葉に美咲はようやくホッとする事が出来た。
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