素直になれない


「ん?何?」



「だから、お前。」


「え?」


「鈍いな、ほんと。


俺と結婚、する?」

まさかの言葉に声が出ない。



「紫、泣いてんの?」
言われて初めて泣いていることに気付いた。

「ほんと、だ。

わたしでいいの?
もう嫌になっちゃったんじゃない?」


「逆にお前以外にだれがいるんだよ。」


「…、蒼也。」




「紫、ちょっとベッド起こして」


「あ、うん。待ってね!」

ベッドのリモコンで頭の方が上がるように
調整していった。


「いててて、っ」

「大丈夫!?」
「いーから、いーから。」

「これくらい?」

「うん、こっち。」
またわたしを引き寄せる。







「一回しか言わないからな。
よく聞けよ。







紫、好きだ。
俺と結婚して下さい。」



< 13 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop