素直になれない


「蒼也、すごい好き。
これからちゃんと伝える。
後悔したくないもん。」

そう言うと、

「むかつく。」

それだけ言って
蒼也はわたしの両頬をつねった。

「痛い!」

「俺も、…努力はする。」

「ありがと。
無理しなくていいよ。
わたしがそうしたいだけだから。」


そのまま久しぶりのキスをした。




少し話をしていると、
そろそろ面会時間が終わりそうだ。



「じゃあ、蒼也。ゆっくり寝てね?」

「あ、紫のとこ挨拶行かなきゃなー。
日にち決めといて。」

「うちに来るの?」

「当たり前だろ。結婚すんのに。」



好きって素直に言えない彼の
サラッと伝えてくれる何気ない言葉が好き。


「蒼也、大好き。」


「…わかってるっつの。」




END
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