素直になれない



どうしてこうなっちゃったんだろ。

発端は二週間後の蒼也の誕生日に
蒼也の仕事が入ってしまったこと。

仕方のないことだろうけど
わたしはそれを受け入れられなかった。



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「ねえねえ!蒼也!
蒼也のお誕生日どこ行きたい?
楽しみだねー!」

そう言いながらも
頭の中には色々なプランが。
蒼也へのサプライズも考えた。

「…あ、悪い。
その日仕事入った。日にち変えてくれん?」

え?嘘でしょ。

「何で?前から絶対空けててって
言ってたじゃん!」

「…はあ、
仕方ないだろ、仕事なんだから。」

ため息までついて、
心底面倒くさそうな表情の蒼也。

「でも!この日だけは!!って。」

蒼也のお誕生日が偶然土曜日で
最近働きすぎの蒼也と喧嘩ばっかりだから
絶対喜んでもらえるプランを
って考えてたのに…。
仕事は仕方ないけどさ、、、。

「悪いけどほんと、仕事は仕方ない。」


でもこんなことで折角の誕生日が
ダメになってしまったらいけない!
そう思って、
「じゃあ何時に終わる?
夜から会おう?日曜日もお休みだし。」

「…まじで悪い。土日で出張なんだわ。」

…嘘でしょ。

「え?本気で言ってんの?」

「冗談で言うかよ。
てか、俺の誕生日とか何も要らねーよ。」

「でも!せっかく…!」

「だから、俺ははじめから
要らんって「意味わかんない!!!」

「この歳になって祝われて喜ぶかよ。」

「ひどい!!!!わたしは…!!」

「また埋め合わせするから。
ほんとごめんって。」

…そう言うことじゃない。

「もー!!
蒼也なんか仕事と結婚しちゃえ!!」

「出来るかよ。」

こう言う時も冷静で、
いつもわたしばっかり怒ってる。

「もういい!帰る!」

「だから、悪いって言ってるだろ。」

悪い、と言いながらも
面倒くさそうな蒼也の顔。

「何でいっつも!!…もうやだよ!
わたしのことなんか二の次じゃん!」

「あのなあ、お前も働いてるんだろ?
仕事なんだから仕方ないだろって。」

…もう分かり合えないよ。

「今日は帰る。当分会わない。」

「好きにすれば?」

「言われなくてもそうする!」

「勝手にしろ。」


そう言って蒼也の家を後にした。
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