素直になれない
「…理玖、ありがとう。」
帰路に着き、歩き慣れた道を歩く。
「お前から礼なんて珍しすぎて怖いわ。
明日嵐来るな。」
「失礼な!!」
なんて言いながらもいつもこうやって
励ましてくれたり、気に掛けてくれる。
ほんとに感謝してる。
「理玖!照れるなよー!」
と腕にしがみついた。
「アホか、照れるか。くっつくな。」
と言いながらも、嫌々そのまま歩く理玖。
「ねえねえ、今日里佳は?」
「地元のツレの結婚式。」
「そっかー、里佳にも会いたいなー。
理玖たちは結婚しないの?」
「まあ、こっち帰ってきたばっかだしな。
落ち着いたらだなー。」
なんて言いながら
ゆっくりと家へと歩を進める。
気持ちは軽くなった。
よし、蒼也に連絡しよう。