水月夜
本音がポロッとこぼれ落ちた。
こんなことをふたりに伝えていいものかと思ったが、自分を止められなかった。
私を心の底から友達だと思っていないヒロエと紀子しか、私の相手をしている者はいない。
そう思いながらチラッと時計を見たそのとき、黙っていたヒロエが顔を真っ赤にした。
「信じらんない……マジで信じらんない! せっかくひいきしてやったのになに様よ! 自分勝手にもほどがあるよ!」
私に対する怒りかと思ったが、ヒロエの怒りの矛先は直美に向けられていた。
ほっとひと安心する。
真っ赤な顔をするヒロエに、紀子も力強くうなずいた。
「本当にそうね。いくらクラスで一番目立つグループにいるからってえらそうだし。直美こそウザくて空気読めないやつじゃない」
唾を床に吐き捨て、腕を組む紀子。
ふたりが直美のセリフに対して怒ったことで、ピリピリとした空気が私たちを包んだ。
その空気に耐えられなくなり、ふたりの怒りをしずめる。
こんなことをふたりに伝えていいものかと思ったが、自分を止められなかった。
私を心の底から友達だと思っていないヒロエと紀子しか、私の相手をしている者はいない。
そう思いながらチラッと時計を見たそのとき、黙っていたヒロエが顔を真っ赤にした。
「信じらんない……マジで信じらんない! せっかくひいきしてやったのになに様よ! 自分勝手にもほどがあるよ!」
私に対する怒りかと思ったが、ヒロエの怒りの矛先は直美に向けられていた。
ほっとひと安心する。
真っ赤な顔をするヒロエに、紀子も力強くうなずいた。
「本当にそうね。いくらクラスで一番目立つグループにいるからってえらそうだし。直美こそウザくて空気読めないやつじゃない」
唾を床に吐き捨て、腕を組む紀子。
ふたりが直美のセリフに対して怒ったことで、ピリピリとした空気が私たちを包んだ。
その空気に耐えられなくなり、ふたりの怒りをしずめる。