水月夜
私がコソッと話しかけたことによって、雨宮くんはパソコンを操作する手を止めて顔をあげる。


「なんだ? 『水月夜』についての新しい情報が手に入ったのか?」


「うん、ちょっと来て」


雨宮くんに手招きをして、私のパソコンの前まで歩み寄る。


椅子に座る私に、雨宮くんが興味津々そうに顔を覗かせる。


「これだよ」


私がさっきまで見ていたサイト画面を雨宮くんに見せる。


その直後、雨宮くんの表情が変わった。


「『水月夜』を飾る方角によって起こる現象の差が出てくる……⁉︎」


信じられないとでも言うような、驚いた表情。
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