水月夜
どうしてお母さんがこんなにも、久保さんも一緒に連れていけと言うんだろう。


本当にお母さんは、私を心配しているの?


もしそうなら、久保さんも連れていったほうがいいのかな。


「……わかった、久保さんも連れていくよ」


渋々お母さんの言葉にうなずくことにした。


お母さんがほっと胸を撫でおろすのが見えた。


「うん、それがいいわ。お母さん、梨沙が学校休むって連絡してくるわ」


そう言ったあと、お母さんは上機嫌で部屋を出ていった。


本当は、雨宮くんとふたりで隣街に行く予定だったんだけど……。


まぁいっか。
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