水月夜
小さく息をつき、枕もとに置いていたスマホに手を伸ばしたそのとき。


スマホがぶるぶると震えだして、びくっと体を震わせる。


スマホを手に取って画面を見ると、雨宮くんからのメッセージが表示されていた。


【もうすぐ始発の時間だけど、準備できたか?


俺は準備し終えて、駅に向かってるとこ】


どうしよう。


久保さんも連れていくことにしたって、雨宮くんに伝えようかな。


いや、やめておこう。


雨宮くんが不機嫌になっちゃうかもしれないから。


心の中でそうつぶやいたあと、スマホをバッグに入れて部屋をあとにした。
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