水月夜
えっ……?


『水月夜』を持っていた人が死んでも『水月夜』はなくならない……?


聖奈の言葉にまばたきをする私。


雨宮くんは、聖奈の肩から手を離し、体勢をゆっくり戻した。


「それは気になるな。どうして持ち主が死んでも『水月夜』がなくならないのか調べたい」


「雨宮くん、それってつまり……」


「あぁ。梨沙や他の持ち主のために、明日、入間に行こうぜ」


やっぱり、雨宮くんならそう言うと思った。


私の言葉にうなずいた雨宮くんの言葉は、予想していたとおりだった。


しかし、聖奈と天馬くんは慌てはじめる。
< 352 / 425 >

この作品をシェア

pagetop