水月夜
私のように『水月夜』が不気味に見える人が死んだあとに『水月夜』の真実を知っても遅い。


だから雨宮くんは、私を含む『水月夜』が不気味に見える人を救うため、一刻も早く真実を見つけたいんだ。


「それでも俺を止める気なら、梨沙や天馬のいとこは死ぬ。それでいいのか?」


鋭い目つきで聖奈と天馬くんを睨むように見つめる雨宮くん。


今の雨宮くんの言葉がふたりに響いたようで、ふたりはこくんとうなずいた。


「……わかった。明日、4人で入間に行こう」


「おぉ。柏木や俺のいとこの命を守るためなら、俺もついていく」


ふたりの表情を見て、雨宮くんは「よし」とつぶやいた。
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