水月夜
「てか、柏木だけじゃなくて、お前みたいなやつのために誰が死ぬかよ!」


3人は私をかばうように立ち、久保さんの前に立ちはだかる。


しかし、久保さんは私の前に立つ3人に向かって負けじと言い返した。


「うるせぇ! お前らみたいなやつらがいるから、俺の思いどおりにいかねぇんだよ!」


それはつまり、雨宮くんと聖奈と天馬くんもいなくなれば、久保さんの思いどおりの日々が来るってこと?


ひどい……。


「……ふっ。お前らみたいなやつらがいるのは癪だけどいっか。梨沙ちゃんを殺せば、あとは楽だもんな」


「……っ」


「梨沙ちゃん、俺のために死んでくれるよね?」


久保さんの言葉に、私はなにも言えなかった。
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