ニセモノ夫婦~契約結婚ですが旦那様から甘く求められています~
もう戻ってこないんじゃないか。そう思うと、いてもたってもいられなかった。スマートフォンを手に、電話帳から小春の名前を探して電話を掛ける。コール音が鳴るあいだ、胃のあたりが焼けるような焦燥を感じた。
繋がらない。
こんなことになるくらいなら、早く伝えてしまえばよかった。
「~っ、クソッ!」
俺はコートだけを羽織り、玄関のシューズボックスの上にあった車のキーとカードキーを片手に家を出る。車に乗り込みエンジンをかけると、ポケットの中のスマートフォンが振動した。
小春!?
慌てて手に取るけれど、表示されているのは【西留】という文字。
「悪いが今少し立て込んでいる。出社してから聞くから――」
電話を取り、一方的に告げる。しかし、『待ってください!!』とただならぬ様子の西留に、俺は「なにがあった」と会話を繋げた。
繋がらない。
こんなことになるくらいなら、早く伝えてしまえばよかった。
「~っ、クソッ!」
俺はコートだけを羽織り、玄関のシューズボックスの上にあった車のキーとカードキーを片手に家を出る。車に乗り込みエンジンをかけると、ポケットの中のスマートフォンが振動した。
小春!?
慌てて手に取るけれど、表示されているのは【西留】という文字。
「悪いが今少し立て込んでいる。出社してから聞くから――」
電話を取り、一方的に告げる。しかし、『待ってください!!』とただならぬ様子の西留に、俺は「なにがあった」と会話を繋げた。