ニセモノ夫婦~契約結婚ですが旦那様から甘く求められています~
 そんなとき、母との思い出に思いを巡らせていた小春の顔が脳裏に浮かぶ。

『常務』

「……わかった。すぐに社に向かう。君は出社次第、制作会社に状況を確認してくれ」

 電話を切り、部屋に戻ってスーツに着替える。

【どこにいる? 連絡がほしい】

 家を出る前に送ったメッセージを小春が見てくれていることを願って、俺は車を走らせた。
 
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