ニセモノ夫婦~契約結婚ですが旦那様から甘く求められています~
「タチバナコンチェルンの立花さんに、うちの演出が可能な映像制作会社を紹介してもらった。明日のイベントにもなんとか間に合うそうだ。立花さんには、あとで君からも改めてお礼のメールを入れておいてくれ」
「承知しました。すぐにご連絡いたします」
深々と頭を下げた西留が、こちらに背を向けてドアの方へ向かう。俺はカップを置いて、スーツのポケットからスマートフォンを取り出した。
昨日から寝る間もない中何度も確認したけれど、小春からの返信はない。思わず額に手をつき項垂れる。
「常務。なにかあったんですか?」
顔を上げると、ドアの前で足を止めた彼女がこちらを振り返っていた。
「……いや」
「昨日から顔色が優れないような……」
西留が戻ってくる。
「なんでもない。君は仕事に戻れ」
「……奥様のことですか?」
「はっ?」
淡々と答えていた俺は、突如登場した話題に大きく目を見開いた。
「承知しました。すぐにご連絡いたします」
深々と頭を下げた西留が、こちらに背を向けてドアの方へ向かう。俺はカップを置いて、スーツのポケットからスマートフォンを取り出した。
昨日から寝る間もない中何度も確認したけれど、小春からの返信はない。思わず額に手をつき項垂れる。
「常務。なにかあったんですか?」
顔を上げると、ドアの前で足を止めた彼女がこちらを振り返っていた。
「……いや」
「昨日から顔色が優れないような……」
西留が戻ってくる。
「なんでもない。君は仕事に戻れ」
「……奥様のことですか?」
「はっ?」
淡々と答えていた俺は、突如登場した話題に大きく目を見開いた。