ニセモノ夫婦~契約結婚ですが旦那様から甘く求められています~
「小春、紹介する。秘書の西留だ」
颯馬さんの声に、私は小腰を屈めて挨拶をする。
「はじめまして、相原小春です」
すると、私の目の前にやって来た西留さんは、
「柴坂の秘書を務めております、西留清枝と申します」
慣れたふうに淡々とした口調で名刺をこちらに差し出した。私は「ありがとうございます」とそれを受け取る。
「ご結婚されるって、本当だったんですね」
私が手もとに視線を移す前に、西留さんが取り澄ました顔で告げる。
「そう言っただろ」
颯馬さんが答えると、西留さんは、
「あまりに突然だったものですから」
と顔色ひとつ変えないまま言った。
西留さんと会話をすると仕事モードになるのか、颯馬さんの声もワントーン低くなったように感じる。表情もなく、なんとなくあの契約を交わした夜を思い出した。
颯馬さんの声に、私は小腰を屈めて挨拶をする。
「はじめまして、相原小春です」
すると、私の目の前にやって来た西留さんは、
「柴坂の秘書を務めております、西留清枝と申します」
慣れたふうに淡々とした口調で名刺をこちらに差し出した。私は「ありがとうございます」とそれを受け取る。
「ご結婚されるって、本当だったんですね」
私が手もとに視線を移す前に、西留さんが取り澄ました顔で告げる。
「そう言っただろ」
颯馬さんが答えると、西留さんは、
「あまりに突然だったものですから」
と顔色ひとつ変えないまま言った。
西留さんと会話をすると仕事モードになるのか、颯馬さんの声もワントーン低くなったように感じる。表情もなく、なんとなくあの契約を交わした夜を思い出した。