ニセモノ夫婦~契約結婚ですが旦那様から甘く求められています~
颯馬さんのご両親に着いていき、案内された観音扉の中に足を踏み入れた私は、驚愕して大きく目を見開いた。
な、なにここ……。
「小春」
入口のそばで立ち尽くしているところを颯馬さんに声を掛けられ、はっとする。
「おいで」
それとなく手を取られ、席までエスコートされた。颯馬さんが引いてくれた椅子に腰掛ける。ふと正面に座るお母様と目が合うと、お母様はにっこりと微笑んでくれた。
私も笑い返しつつも、驚きも冷めやらぬまま辺りをゆっくりと見渡す。
部屋の真ん中には八名掛けほどの横長のテーブル席がひとつ。お父様とお母様のうしろの壁はまたしてもガラス張りで、羨望は絶景だ。左奥には鉄板があり、その向こう側にはシェフの姿もある。
一組のためだけの専属シェフ?
右側の壁はギャラリーになっていて、絵画が数枚飾られている。吊り下げられたシャンデリアや家具がアンティーク調のせいもあってか、英国邸宅の一室のような雰囲気だった。
踏みしめているカーペットが厚くて柔らかい。凄すぎて、夢でも見ている気分だ。
な、なにここ……。
「小春」
入口のそばで立ち尽くしているところを颯馬さんに声を掛けられ、はっとする。
「おいで」
それとなく手を取られ、席までエスコートされた。颯馬さんが引いてくれた椅子に腰掛ける。ふと正面に座るお母様と目が合うと、お母様はにっこりと微笑んでくれた。
私も笑い返しつつも、驚きも冷めやらぬまま辺りをゆっくりと見渡す。
部屋の真ん中には八名掛けほどの横長のテーブル席がひとつ。お父様とお母様のうしろの壁はまたしてもガラス張りで、羨望は絶景だ。左奥には鉄板があり、その向こう側にはシェフの姿もある。
一組のためだけの専属シェフ?
右側の壁はギャラリーになっていて、絵画が数枚飾られている。吊り下げられたシャンデリアや家具がアンティーク調のせいもあってか、英国邸宅の一室のような雰囲気だった。
踏みしめているカーペットが厚くて柔らかい。凄すぎて、夢でも見ている気分だ。