蛍火
2日目。その日は1日ごろごろの居間に転がりながら、たわいもない話ばかりをした。

「ゆうは部活入ってないんだっけ」

「あの親だから何があるか分からないからな…放課後はあまり拘束されたくなかったし」

「あー、そういう感じ?親思いだね」

「いやほとんど自分の為だけどな…だいたいあの人たちがしでかすと俺にまで被害が及ぶんだ」

「ふふふ」

ましろはよく笑うようになった。でも、それは面白いからとかそういうのじゃなくて、遠慮をしなくなったからだけなんじゃないかなと思う。
我慢をしなくなった、と言えばいいのか。それは良いことのように思う。思うのに。

それがどうにも優夜の心をざわめかせるだなんて、おかしいだろうか。

< 51 / 64 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop