好きとか言ってやんない。


心底呆れる。


振り返ることなしに教室に戻ると、俺の席で涼介がベソかいてきた。


俺の周りは面倒なやつばっかりだ。



「なあ〜!聞いてくれよシノ〜!」

「うっわ、お前なに、鼻水付けんなって」

「秋ちゃんが〜!」

「あー、もう。何?」



週に一度は必ずこうなる涼介はかなり面倒なやつ。

秋ちゃんとかいう彼女は結構な塩らしく、どっちかっていうとフラフラしててヘラヘラしてる涼介と続いてるのが謎なくらいだ。


「でさー、…って聞いてんのかよ!」

「聞いてるって。大丈夫だろ」

「俺にまで冷たいよコイツ!」


んもー、と泣きベソかいてるコイツは本当に男なのかと笑える。
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