三十路令嬢は年下係長に惑う
しばらくはコンビでよろしく
「……それって私が力不足だからって事ですか」
呼びだされ、次第を説明れた神保が最初に言った言葉がそれだった。
神保鈴佳はヘルプがつくのは自分の無力ゆえの事なのでは無いか、と、一番最初に疑ったようだ。
水都子は、少し神保の人となりを見なおそうかと思った。唯々諾々、簡単に言われた通りにするのだとばかり思っていたが、仕事にプライドを持っているという事だ。
「違うの、神保さん、私、前職でユーザーとしてはパソコンも使っていたけど、ユーザーサポートをするほどでは無いので、あなたについて仕事を勉強させてもらえればと」
あわてて水都子がフォローをした。そして実際問題それは偽りでは無い。仕事を覚えるために誰かにつかなくてはならないわけであるし、神保の技術を身近で学べる事は意義がありそうだ。
「……そうなんですか?」
神保は少し照れたように水都子を見て、そして間藤の方を見た。
「お、おう、遊佐さん自身の要望もあるし、入社してすぐにあっちこっち出張ってのも大変だからな」
現状システム課の他三名は出張が多く、社内をめまぐるしく移動している神保と同様、東日本にある各拠点を巡っている。多くは関東なのだが、東北、最北端は北海道にもある為、全員揃って社内にいるというのは実は貴重なのだった。
「わかりました! よろしくお願いします!」
説明されて、納得さえしてしまえば神保の動きは早かった。
かくして、水都子は神保と共にしばらく業務にあたる事になった。
「あ、それから」
二人揃ってミーティングルームから出ようとしている水都子と神保に間藤が声をかけた。
「日程調整が終わったようだ、明後日、遊佐さんの歓迎会」
歓迎会と聞いて顔を輝かせる神保に畳み掛けるように間藤が続けた。
「神保、飲み過ぎんなよ」
「わかってますよ!」
釘をさされてまずった、という顔をしながら、神保は水都子を連れて行った。
「ちょうどお昼休みですし、ご一緒しませんか?」
呼びだされ、次第を説明れた神保が最初に言った言葉がそれだった。
神保鈴佳はヘルプがつくのは自分の無力ゆえの事なのでは無いか、と、一番最初に疑ったようだ。
水都子は、少し神保の人となりを見なおそうかと思った。唯々諾々、簡単に言われた通りにするのだとばかり思っていたが、仕事にプライドを持っているという事だ。
「違うの、神保さん、私、前職でユーザーとしてはパソコンも使っていたけど、ユーザーサポートをするほどでは無いので、あなたについて仕事を勉強させてもらえればと」
あわてて水都子がフォローをした。そして実際問題それは偽りでは無い。仕事を覚えるために誰かにつかなくてはならないわけであるし、神保の技術を身近で学べる事は意義がありそうだ。
「……そうなんですか?」
神保は少し照れたように水都子を見て、そして間藤の方を見た。
「お、おう、遊佐さん自身の要望もあるし、入社してすぐにあっちこっち出張ってのも大変だからな」
現状システム課の他三名は出張が多く、社内をめまぐるしく移動している神保と同様、東日本にある各拠点を巡っている。多くは関東なのだが、東北、最北端は北海道にもある為、全員揃って社内にいるというのは実は貴重なのだった。
「わかりました! よろしくお願いします!」
説明されて、納得さえしてしまえば神保の動きは早かった。
かくして、水都子は神保と共にしばらく業務にあたる事になった。
「あ、それから」
二人揃ってミーティングルームから出ようとしている水都子と神保に間藤が声をかけた。
「日程調整が終わったようだ、明後日、遊佐さんの歓迎会」
歓迎会と聞いて顔を輝かせる神保に畳み掛けるように間藤が続けた。
「神保、飲み過ぎんなよ」
「わかってますよ!」
釘をさされてまずった、という顔をしながら、神保は水都子を連れて行った。
「ちょうどお昼休みですし、ご一緒しませんか?」