三十路令嬢は年下係長に惑う
真島の運転するRV車の後部に間藤と両隣に鈴佳と水都子が、助手席には慎夜が乗っていた。
「なんだ、間藤を拉致るっていうから期待してたのに思ってたより大人しくて拍子抜けしちゃったよー」
慎夜が茶目っ気たっぷりに言った。
鈴佳は、驚いて挙動不審であったが、すぐにフォローするように慎夜が言った。
「あー、神保さん、今俺、副社長じゃなくて、弟として姉にこき使われる立場だから、気楽にね」
「そして俺は運転手です」
メガネで無表情な真島が続けた。
「真島君は、付き合わされたのか……気の毒に」
鈴佳が言うと、
「そんな風に言ってくれるのはスズさんだけです……」
と、達観した様子で真島が答えた。遊佐姉弟に振り回されて一番とばっちりを食っているのは副社長の友と書いて下僕と読む の、真島夏樹かもしれなかった。
「抵抗しても無駄かなと、男二人相手ですし」
水都子と鈴佳、女性二人に挟まれながら、間藤は小さくなっていたが、腕に負担がかからないように右側には水都子が乗っていた。
「……で、俺はどこに連れて行かれるんですか?」
ほぼ身ひとつで拉致された間藤が連れてこられたのは……。
「なんだ、間藤を拉致るっていうから期待してたのに思ってたより大人しくて拍子抜けしちゃったよー」
慎夜が茶目っ気たっぷりに言った。
鈴佳は、驚いて挙動不審であったが、すぐにフォローするように慎夜が言った。
「あー、神保さん、今俺、副社長じゃなくて、弟として姉にこき使われる立場だから、気楽にね」
「そして俺は運転手です」
メガネで無表情な真島が続けた。
「真島君は、付き合わされたのか……気の毒に」
鈴佳が言うと、
「そんな風に言ってくれるのはスズさんだけです……」
と、達観した様子で真島が答えた。遊佐姉弟に振り回されて一番とばっちりを食っているのは副社長の友と書いて下僕と読む の、真島夏樹かもしれなかった。
「抵抗しても無駄かなと、男二人相手ですし」
水都子と鈴佳、女性二人に挟まれながら、間藤は小さくなっていたが、腕に負担がかからないように右側には水都子が乗っていた。
「……で、俺はどこに連れて行かれるんですか?」
ほぼ身ひとつで拉致された間藤が連れてこられたのは……。