今でもおまえが怖いんだ
威圧的・攻撃的な子ばかりでは勿論なかった。
ニコニコとしている子だってクラスにいたけれど、でもその笑顔を私に向けてくれることはけしてなかった。

居心地が悪い6年間だった。

あ、私って子どもじゃないんだって嫌でも思い知らされた。

子どもが子どもらしくいて良いはずの時期を少しのわがままも許されないまま、はしゃがず騒がず無為に過ごしてしまった私はその後も我慢と譲歩の連続で必要以上に神経を磨耗して。

「あなたは大人だから分かってくれるでしょう」と大人の理解者のように育て上げられたはずが、結果的に未熟な大人になってしまった。

あの頃無邪気に遊んでいた同じ歳の子どもたちが立派に働いている今、私だけまだ小学校に取り残されているような気がする。

そうして、直樹君もきっと私の年齢を追い越して行ったのだと思う。
時々彼がとても大きく見えるのは多分、そのせいだ。
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