今でもおまえが怖いんだ
ep.08 猪口宗徳
頬を風に叩かれた気がしたくらいに、冷たい外気が肌に痛かった。
「冬だねえ」
標門さんが疲れたような調子で言う。
「どうせ死ぬなら、もっと暖かい季節がいいや」
私の言葉に、彼は短く鼻で笑った。
「ぼくも、冬の寒空の下は嫌だなあ」
分かるー、とまた私は同じ調子で返事をする。
星空はとても綺麗だけれど。
死体もすぐには腐らないから発見が少し遅れても構わないのだけれど。
それでも死ぬ時くらい温かい場所にいさせてほしい。
できれば、荒んだ気持ちのままでは死にたくない。
「もう少ししたら、帰ろうか」
標門さんはそう言いながら、ボリュームをまた少し上げて、スンと鼻をすすった。
「冬だねえ」
標門さんが疲れたような調子で言う。
「どうせ死ぬなら、もっと暖かい季節がいいや」
私の言葉に、彼は短く鼻で笑った。
「ぼくも、冬の寒空の下は嫌だなあ」
分かるー、とまた私は同じ調子で返事をする。
星空はとても綺麗だけれど。
死体もすぐには腐らないから発見が少し遅れても構わないのだけれど。
それでも死ぬ時くらい温かい場所にいさせてほしい。
できれば、荒んだ気持ちのままでは死にたくない。
「もう少ししたら、帰ろうか」
標門さんはそう言いながら、ボリュームをまた少し上げて、スンと鼻をすすった。