今でもおまえが怖いんだ
駅からアパートまでの舗装されていないだだっ広い道は心細さが積るばかりで、背中に張り付いた何かが帰りを急かす。
早く家に帰らないと酷いことになるぞとばかりになんとなくの焦りと緊張感からついスピードを上げる。45キロ。
ずっと青信号の道路をびーっと真っ直ぐ突っ切って、ようやく出てきたT字路で右折。
私の住む町へと入る。
プオーと列車が通過する音が頭上から聞こえてくる。
コンビニの裏には廃棄になったお弁当が積み重ねられて、上から水がかけられている。それを漁ろうとするカラスの群れと、カラスよけのために道路脇に立てられた大量の案山子。
引っ越してきた当初はその光景が怖くて仕方無かった。
古いアパートがぎっしりと並んでいて、等間隔に自販機も設置されている。アパート群を囲むように四方向に公園がある。
アパート群の外には高速道路とラブホテル。
びっしりと建て並んだアパートはどこも駐車場がない。車を買えるほどの人が住んでいないということに気付いたのは不動産の契約を済ます前だった。
それでもここで良いと思った。ここが良いと思った。
私もどこにも行けなくて構わない。ずっとここでも構わない。
いつか誰かが連れ出してくれたらそれはきっととても幸せなことなのだろうけれど、いつまでも夢を見ることはやめようと思って、自分の人生は諦めてしまおうと思った。
早く家に帰らないと酷いことになるぞとばかりになんとなくの焦りと緊張感からついスピードを上げる。45キロ。
ずっと青信号の道路をびーっと真っ直ぐ突っ切って、ようやく出てきたT字路で右折。
私の住む町へと入る。
プオーと列車が通過する音が頭上から聞こえてくる。
コンビニの裏には廃棄になったお弁当が積み重ねられて、上から水がかけられている。それを漁ろうとするカラスの群れと、カラスよけのために道路脇に立てられた大量の案山子。
引っ越してきた当初はその光景が怖くて仕方無かった。
古いアパートがぎっしりと並んでいて、等間隔に自販機も設置されている。アパート群を囲むように四方向に公園がある。
アパート群の外には高速道路とラブホテル。
びっしりと建て並んだアパートはどこも駐車場がない。車を買えるほどの人が住んでいないということに気付いたのは不動産の契約を済ます前だった。
それでもここで良いと思った。ここが良いと思った。
私もどこにも行けなくて構わない。ずっとここでも構わない。
いつか誰かが連れ出してくれたらそれはきっととても幸せなことなのだろうけれど、いつまでも夢を見ることはやめようと思って、自分の人生は諦めてしまおうと思った。