ハツコイ 2

「そういえばさ、来月からプロジェクト立ち上げるって聞いてる?会社創立50周年の記念プロジェクト。各課からプロジェクトメンバー数人ずつ出すって聞いたけど。」





お酒が進んだ頃、琉偉が思い出したように呟いた。





「私は何も聞いてないけど…あーみん、知ってる?」




「あたしも聞いてないね。ま、あたしたちはメンバーじゃないってことかもね。琉偉はメンバーなの?」




頷く琉偉に、きっとマーケティング課で期待されているんだろうなと、誇らしげに思えた。



百合さんやシゲさん、りょうちゃんも話は聞いていなそうで。




「なーんだ。合同プロジェクトって聞いてさ、仕事でも柚と一緒にいられたらなって思ってたんだけど…違うのかあ。」



「おい、瑠偉。お前どんだけ柚奈ちゃんと一緒にいたいんだよ?」



「また惚気??」



明らかに落胆する琉偉に対して、みんながまたもやツッこむ。





確かに、仕事をしている琉偉をまともに見たことはない。




間近で見てみたい思いはあるけれど、こればっかりは私の一存では決められないし。





…と、この時はまだ、他人事のようにその話を聞いていた。


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