ハツコイ 2

「何考えてたの、あの時。」




夜。



琉偉の部屋でまったりしていると、昼間の珍事を思い出させられた。



「いや、あれはその…」




あなたのせいですよ!と高らかに言いたくなる。





「でもまあ、柚と一緒に働ける日が来るなんて思いもしなかったからさ、めちゃくちゃ嬉しい。」




「しかも、百合さんもメンバーだったね!」




そう。




総務部からは百合さんがプロジェクトメンバーに選ばれていて。




総務部とは普段オフィスの階も違うから全く会えないし、百合さんの働きぶりが見られるのが嬉しい。




「でも一番嬉しいのは、琉偉と一緒に仕事できることだな…」




そう呟きながらソファの横に座ると、必ずと言っていいほど、肩を抱き寄せてくれる。





琉偉の肩に頭をポンと乗せながら、こんなに幸せでいいのだろうか…と思ってしまうこともある。





でも、この腕の中の幸せを、この温もりを…






決して離したりしないように、私ももっともっと、自分に磨きをかけないと。





そう心の中でそっと誓いながら、琉偉とくっついて過ごすのだった。


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